2022.09.20
マイナス改定に備えた準備を〜その5〜
HMM−JAPANさくらんぼの村上PONTA和之(むらかみポンタかずゆき)です。
皆さんのデイサービスには職員育成の仕組みがありますか?
職員育成の仕組みづくりは
「量」として職員を捉える目と
「質」として職員を捉える目が
必要になります
「量」として職員を捉えるとは
現場のこの仕事に何人の人数が必要か?
が明確になっていることです
ここではその資質は問いません
人手としてどの仕事に何人必要か?
これを現場の管理者が経営側に言えることが「量」の問題です
これが「採用」の基本になります
もう一つの「質」
これは能力として何が必要かが分かっているかどうか?
どういう人材が今のチームには必要かが分かっているかどうか?
になります
ただ
そんな都合が良い人材を
タイムリーに確保できることなんてありません
そこでこの「質」の問題は人材育成・職員研修の問題になります
多くの現場管理者や経営者の頭の中は
この2つがゴチャゴチャになっているんですね
そのゴチャゴチャした頭のままで職員採用するものだから
思うような人材が採用できないし
現場もその1人を仕事と結びつけずに「手」として扱うものだから
現場が一向に改善されない
今までの仕事量を増えた人数で回していく
そこで現場に緩慢な雰囲気が漂う
そのあげく
事故やヒヤリハットにすら気がつかない現場へと転げ落ちていく
何年も人手不足で悩んでいるデイサービスのあるあるです
人手不足に陥っているデイサービスは
この人手不足を「量(=人手、作業効率)」の問題と
「質(=人材、能力)」の問題に分けて捉えることができていないことで生じます
人手不足に陥ると
現場のできるスタッフに皺寄せが出ます
はじめのうちは「仕方ない…」と踏ん張っているものの
時間が経てば経つほど踏ん張りが効かなくなります
心身ともにボロボロになる前に職場を去る決心をする
その結果さらに現場は人手不足に陥る
優秀なスタッフほど現場を去る傾向にありますので
現場は一層荒んでいきます
また
せっかく雇用してもスグに辞めてしまうケースもあります
新人が入社すると基本的な業務を教えるために
プリセプターを担う先輩スタッフが付きます
この先輩スタッフは現場の仕事よりも
新人指導にウェイトが置かれます
そうなると
頭数としては少し余剰気味の職員配置になっているけれど
実際の現場は人手不足の状況に陥ってしまいます
経営者も人件費比率が上がるので稼働率に敏感になり
現場の精神的な疲弊が強まります
それでも
新人が成長してくれれば
何の問題もなかったかのように
経営も現場も安定するのですが
続かずに退職するというケースもあります
その場合は
人手不足が解消されないどころか
プリセプターを担った
先輩スタッフのモチベーションは一気に低下します
自分に責任を感じてしまうことで
ご利用者に意識が向かなくなる
そんなデメリットもあります
こうなる原因はデイサービスの中に
職員育成の仕組みがないことが原因です
採用や職員育成の問題は
経営とりわけ利益に直結する問題です
常に人が入れ替わるデイサービスでは
過剰に人手を配置している期間が長くなるため
人件費比率が上がります
さらに採用コストや福利厚生コスト
目に見えないコスト(採用面接や育成研修等で割かれる時間)まで含めると
全く無駄としか言いようがありません
そういう状態を回避するために
人の問題を「質」と「量」に分けて捉えるようにする
「質」の問題は
職員育成の仕組みを経営理念や事業計画に沿って
作り上げていくことが求められます
その中には
ぼくがマネジメントで大切にしたいと考えている
「個人面談」を導入しているかどうか?
個人面談に取り組んでいるデイサービスは
職員育成の仕組みをそれなりに考えているといえます
「量」の問題は人数の把握を正確にしているかどうか?
デイサービスには人員基準という「法定人数」が定められています
介護保険法だけではなく
労働基準法に抵触しないことも必要です
これらを把握していない経営者のデイサービスでは
人手不足が多発していますね
そして「法定人数」だけでは足りません
「勤務表人数」を考える必要があります
法定人数だけでは現場が回せない
多くのデイサービスの実態ではないでしょうか?
ご利用者の傾向によってもココは変わってきます
現場としてどれくらいの人数が必要か?
それを示すのが「勤務表人数」です
さらに「事業計画人数」というのもあります
例えば
認知症加算を算定するために
現場から研修に出やすくするために
スタッフを多めに雇用しようとか
機能訓練加算を算定するために
リハ職を雇用しようという
計画に基づいた人数です
これはもちろん経営者が考える人数になります
この3つの人数
「法定人数」
「勤務表人数」
「事業計画人数」
を把握することが「量」の問題になります
こういう考え方ができるかどうか?
マイナス改定に向けてデイサービスが
取り組まねばならない問題の1つだと考えています
著書一覧:https://kazponta.com/profile/
「必ず繁盛店!売場演出の極意」(同文館)
「デイサービスオーバー90 マーケティング」(日総研出版)
コンサルティングスタンス:https://kazponta.com/mc/
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