2019.01.22
【介護事業所に必要な3つの研修】
1)安全な介護を実践するための介護技術の研修
素人が素人のまま介護することの良さもあれば、弊害もある。
また施設の介護には施設の介護の良さもあれば、弊害もある。
では、何をあなたの事業所の介護の基準とするか?
「安全な介護=利用者本位の良い介護」を実践し、利用者のニーズに添った自立支援の介護ができる事業所にするというのがぼくが必要と考える介護技術の研修である。
通所ケアプランやレクレーション等で利用者本位のようなことを実践できている(と勝手に思い込んでいる)事業所は多いかも知れない。
ただ、利用者の移乗・排泄・食事・入浴に関しては、それを実践できている事業所は少ないのではないだろうか?
基本的な介護動作を通して、利用者とのコミュニケーションをしっかりとることを大切にできる事業所でなければ介護を仕事とする意味はないのではないだろうか?
もちろん、介護の仕事は技術提供の仕事ではない。
介護は人間と人間の関わりの仕事である。
しかも利用者は介護職よりも年齢が上のことが多い。
そうなると基本的なマナーというのか、相手を敬う気持ちがなければならない。
ただ、元気に明るいだけでは、足りないのである。
排泄や入浴などを人に頼ることほど、つらいことはない。
仕方ないと思っていても、そこには諦めややりきれない想いが残っているはずだ。
そんな利用者の気持ちを受け入れる心が必要となってくる。
同時に
気楽に勤めた介護の仕事なのに結構、重たい仕事だよね。
そんなことを感じて、介護の仕事を離れる人もいるかも知れない。
どうしても、介護職は相手の気持ちを受けとめる(実際にできていなくても、そうしようという気もちだけはあると思うんです)ことで、精神的なストレスは大きいと思う。
手を抜けば、どれだけでも手を抜けるかも知れない。
誰も見ていないことも多いし、手を抜いたってもらえる介護報酬は同じである。
苦労することは止めようよ。そんな気持ちがわいてくる。
今では慣れてしまったんだろうなという事業所も多いが、はじめは良心の呵責に耐えかねた人もいるだろう。
それほど、精神的な負担の大きな介護の仕事なのであるが
事業所の中にそれをサポートできる管理職がいないのが現実ではなかろうか?
そこで2つめの研修である。
「自分でもそういうストレスに向き合う力を身につけるための心と身体をリラックスさせる研修」
心と身体をリラックスさせるワークショップと聴く力を身につけるワークショップで構成する。
私たちは、利用者の話をしっかり聴くことをできているだろうか?
忙しいから
何も言わないから
いつも同じ話ばかりだし
何かと理由をつけて、自分の都合のよいように利用者とコミュニケーションをとっていないだろうか?
それでは、本当の利用者のニーズを聞きとれないのではないだろうか?
介護の世界で起きる痛ましい事故が起きないように、こういう内容の研修は欠かせない。
3つ目は「経営に関する研修」である。
介護の世界には、経営という意識が少ない。
理事長をはじめとした経営陣に“経営”意識が希薄である。
そのことが、働いている介護職に、働く意義というか、「何のために仕事をするのか」という社会人として大切なことを教えることができていない。
経営感覚というと、金もうけ的な発想で考える人が多い(特に公務員の方にその傾向が強い気がするのだが…)が、経営感覚というのは、スタッフ一人ひとりが幸せな人生を生きるための場を経営者が提供することが経営感覚なんだと考えている。
活きた経営を学ぶ場を通して、自分の人生の経営のかじ取りができるようになっていくことで、部下指導や部下育成ができる力を身につけるとともに、利用者の人生をより深く感じ、利用者を支える家族の素晴らしさを感じることのできる人材を管理職として育てていくことがこの研修の最終目的となる。
この3つを網羅できる人は少ない。
そのため、3つの研修が1本につながらないため、ぼくももどかしい経験をしてきた。
その結果、今はぼくがこの3つを全て網羅することで、介護事業所を笑顔にしていきたいと考えている。
介護の仕事に携わる全ての人が笑顔になり
利用者と家族が笑顔になり
経営者も笑顔になる介護事業所となるために!